2015/06/23

日経DUAL「川端裕人のPTAは変われるか!?」シリーズについて

日経DUALにて、川端裕人さんによる「PTAは変われるか!?」シリーズは各方面で非常に反響を呼んでいますね。
どの回もぎっしり濃い内容です。

「保護者会での役員決め」をやめたPTA会長に聞く
川端裕人 PTA連載/ストップ自動入会PTA!(上) 保護者会の集まりが改善した
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=5162

PTAが無くなったら、学校は本当に困るのか?
川端裕人 PTA連載/ストップ自動入会PTA!(中)改革1年目に「新しいPTAを考える会」を発足
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=5163

PTAは加入率2割でも機能する
川端裕人 PTA連載/ストップ自動入会PTA!(下)「問題が生まれたら、立ち止まればいい」
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=5164

PTA改革に欠かせないのは、校長の理解
川端裕人 PTA連載/ストップ自動入会PTA! 大湾清彦校長インタビュー(上)「最初は、反対でしたよ」
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=5169

PTA活動には、時代によって不要になるものもある
川端裕人/沖縄県・識名小学校の大湾清彦校長(下)全員参加のPTAが無くても、学校・地域・家庭はつながれる
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=5170

私が特に素晴らしいと感じた部分は、校長先生へのインタビューです。
校長先生がインタビューに応じるのもケースとして少ないと思いますが、中でも

大湾 はい。「任意参加」と言われて、一番心配だったのが予算でした。図書館の本を買う図書費、学校の花壇の苗・種や肥料を買う環境整備費なども、それまではPTA会費からも捻出していたので、もし会員が少なくなったらそうした経費まで減ってしまう、と。

このお金の面の心配をちゃんと表明したところが非常に評価できるポイントです。

お金のことが課題である、と学校長が正直に言えたからこそ、どうすればそれを解決できるかという具体的な手段について検討ができたのだと思います。
「教育振興費」という手段が最善であるのかはともかく、識名小では現実的な折り合いをつけるために有効に働いていることは事実でしょう。

そもそもお金に課題があることを表明することは、現在の不透明(でおそらく不適切)なお金の流れに一種のメスが入るわけですから、ほとんどの学校長は表明できない事項でしょう。

拙書「ただいま個人情報漏洩中!」でも書きましたが、やはり学校側の一番の心配はお金のことです。このインタビューで期せずしてつまびらかになりました。

ここをタブー視して表明しないのではなく、反対にダメだと糾弾するだけでもなく、どうすれば乗り越えられるかを一緒に考えていくということがとても大切です。
そのためには欺瞞に満ちた関係ではなく、そもそもまずその話題ができる、という信頼関係をお互いに築くところからスタートです。

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